新・ライフ イズ リスペクト from ビッグアーチ

広島ファンとして、スポーツファンとして、思ったことを綴っていきます。

【J1広島】「勝ったようなもの」から生まれた勝利 ~札幌戦レビュー~

0.まえがき

試合開始の約30分前。
お昼に食べ切れずに残しておいた、焼きそばを食べ始めた。

現地観戦するときは、いつもこのパターンだよな…
そう思いながら、自宅のテレビの前で、試合が始まるのを待ちわびていた。

1.夏の連戦に臨む

2019年8月3日、土曜日。

前の水曜日に試合を戦ったばかり、中2日でこの日を迎えることになったサンフレッチェ広島
札幌戦のスタメンは、水曜日の川崎戦とほとんど同じメンバーでした。

移動がなかったとはいえ、電車通勤の一般人でさえ辟易とする蒸し暑さの中、10kmもの距離を走り続けた選手たちの疲労の蓄積が心配でした。
と同時に、「今日は(城福さんは)リアルに徹するのかもしれんのう」と思いました。

2.ミシャの洗礼

J1リーグ戦に限れば、直近の6試合を負けなしで来ている広島でしたが、実はここ2試合、連続して2失点を喫していました。
私はそこが気になりました。まずは失点しないことが肝心だな、と。

ところが、立ち上がりの札幌は、両サイドをワイドに使いつつ攻撃してきました。
特に右からの崩しと、そこから続く展開は、非常に脅威で、「さすがはミシャのサッカーだな」と感心しながら観ていました。

3.薄氷を踏む

前半15分の表示を見て、思わず「早っ!」と発声してしまいました。
ここまでのサンフレッチェは、無理してガツガツ行っている風に見えなかったし、マイボールの時など、適当にサボっているように見えたので、「(気候を考えれば)良き良き」と考えていました。

が、その直後の17分に、ポストのご加護イベントが発生してしまいました。
前半はその後、何度も決定的なピンチを迎えてしまいますが、私にはそのすべてにおいて、「やられた感」があとから襲ってくる感覚でした。
なんだか気がついたらサイドから崩されていて、ただ指をくわえて見ているしかないような。

それでも、前半の後半は、サンフレッチェがゆとりを持ってボールを保持しているように感じました。

4.美伊の方のご神託

前半、広島のシュートは1本だけだったそうですが、確かに決定的な場面は作れなかったですね。
それでも、アタッキングエリアまで運ぶことはできていたので、これがボディブローになってくれればいいが、と思って観てました。

それに、ヤバい場面は多かったけれど、結果的に無失点ならば「勝ったようなものにございます」よね。
大河ドラマ毛利元就」で、元就の正室、美伊の方の口グセだった言葉ですが、そのフレーズが不意に浮かんだハーフタイムでした。

5.均衡破りブーム

さて、この日のJ1戦は、広島の試合を含めて5試合が同時進行で行われていました。
そのうちの4試合が前半0-0で推移しましたが、その4試合すべてで、後半開始5分以内に得点が動く、という珍しい(?)現象が起こりました。

ビッグアーチでは前半4分、左サイドでカシッチのスルーパスに抜け出した森島が、ゴールライン際からマイナスに戻すと、突っ込んできた稲垣がダイレクトでシュートを決めてみせました。
うまく相手のスキを付けたことと同時に、特に稲垣のらしさが出たシュートだと思いました。

6.待ちわびた瞬間

後半15分頃だったか、実況席の曽根アナウンサーが、ピッチリポーターに先んじてそのことに気付きました。
「見つけるの早すぎじゃろー(笑)」と思ってしまいましたが、それは、待ちわびていた青ちゃんの復帰の時を告げるサインでした。
誰と代えるのか見当が付かなかったので、川辺OUTと聞いて驚きはありましたが、例え30分間でも、青ちゃんがプレーフィールドに立てるまで回復したことが嬉しかったですね。

7.しのぎ切る

1点リードのまま、試合は終盤へ。

このところ、最終盤に相手に押し込まれるケースが目立つサンフレッチェ
攻め込まれを防いでマイボールにしたときに、落ち着いていなして抜け出せるか否か、に注目しましたが、この試合でも少し課題を残したかな、という印象でした。
特に、チャナティップのドリブル突破には、時間帯的に四苦八苦させられてしまいました。

しかし、選手交代でシバコー先生や渡くんを投入し、キープ率アップや運動量確保を狙った采配が功を奏しました。
想像よりも1分長かった5分のAT。
青ちゃんの宇宙開発からのカウンター、ラストワンプレーにヒヤリとしましたが、無事にタイムアップ!
ホッとする結果になりました。

8.総括

改めて、この試合のサンフレッチェを振り返ると、札幌のサイドからの攻撃に非常に苦しみました。
特に、右サイドの白井康介選手はキレキレで、しばしば、広島の左サイドを切り裂いていきました。

ササショーが居ない左サイドでしたが、野上は決して「代役」という弱いレベルの選手ではありません。
ただ、ここまでやられてしまったというのは、彼個人の問題ということではないが、野上とカシッチ、ボランチとの連携面で難があったのではないかと、私は推測しました。

しかし、何だかんだで失点せずに済んだこと、後半開始早々に先制したことで、試合の主導権を取り戻せたのは良かった。
また、前半に中央で危険な存在だった、ジェイや鈴木武蔵といった存在を、後半に入って消すことができたのも大きかったですね。
特に、ジェイを交代に追い込めたことは、代わりに入ったAロペに何もさせなかったことを含めて、勝負のポイントだったと思います。
(Aロペ=アンデルソン・ロペス。「エーロペ」と読みます。前ブログ時代からの独自の呼称です。)

9.つれづれ雑感

本編の最後に、試合観戦中にメモした中から、いくつか簡単に触れておきましょう。

・左サイド奥でボールキープする時間があったが、相手のストロングポイント(=白井)を封じる意味で、いい作戦でした。

・給水タイムが入ったため、バスケなどのクォーター制の趣きがありました。
なお、メモには「4クォーター制」と書いたんですが、クォーターが「4分の1」の意味なので、言い回しが変な気がする(笑)。

・この日は、ポイチさんがスタジアムで観ていたそうで。
青ちゃん復活の日に、青ちゃんが師事した新旧3監督が揃っていたんですね。
ヨンソンさんが居たらコンプリートでしたが。(横内さんは暫定なので除く。)

10.あとがき

久しぶりに書いたレビュー。
分量とか、以前からこんな感じなんですが、いかがだったでしょうか?
(次の試合の前夜まで引っ張る形になり、申し訳ないです。)

個人的には、リハビリ感が半端ないというか、前ブログ時代の7~8割のレベル感でした。
あと、前ブログ時代との比較で、文体とか構成とかをマイナーチェンジした方が良くないか?など、ちょっと迷っている部分もありますね。
でもまあ、次にいつ書けるか分からないので、結論は急がないことにしておきます。

最後に。

この試合は「ピースマッチ」として行われました。
3年前、8月6日に開催されたとき、私はその試合を観にいき、観戦記を書きました。

今日もこうして試合レビューを書けるのも、平和な暮らしがあってこそ。
広島に生まれ育ったものとして、この事実はずっと憶えておきたいと思います。

最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。